未経験エンジニア増えすぎ?今からエンジニアになるために必要なこと
SPEAKER
株式会社ポテパン代表取締役社長|宮﨑大地
IT教育事業「ポテパンキャンプ」代表。未経験からエンジニアを目指す若者の支援に特化したプログラミングスクールを運営し、これまでに数千人以上のキャリア転換を成功に導く。現場で求められる実践力にこだわり、受講生一人ひとりの成長を後押しする教育設計と、確かな就職支援が高く評価されている。現在もキャリアアドバイザーと企業の採用支援を行っており、エンジニアと現場の橋渡し役として活動中。
近年、「未経験からエンジニアに転職したい」という人が急増しています。
IT業界は慢性的な人材不足に陥っており、2030年には最大で約79万人のIT人材が不足すると予測されるほどです。各社こぞってデジタルトランスフォーメーション(DX)を進める中で若手IT人材の需要が高まっており、未経験歓迎の求人も増加傾向にあります。
実際、「エンジニア未経験者を採用している」企業は4割以上に上り、検討中まで含めると7割超にも達しています。一方で、ネット上には「未経験エンジニアが増えすぎている」「未経験でエンジニアになるのはやめとけ」といった声も見られます。
華やかな成功例の裏に、多くの挫折や苦労が隠れているのも事実です。
本記事では、未経験からエンジニア転職を目指す人の実態とその現実について、データや体験談を交えて徹底解説します。エンジニア転職の夢を実現したい方は、ぜひ参考にしてください。
ショート動画でも解説しているので時間の無い方はこちらからご確認くださいませ!
未経験エンジニア志望者が増えている理由と業界の現状
IT業界では深刻な人手不足が続いており、経済産業省の推計によれば「2030年までに40〜80万人規模でIT人材が不足する懸念」があるとされています。
一般社団法人情報サービス産業協会(JISA)の最新調査(令和6年12月期)でも、67.9%の企業が従業者不足を感じており、「過剰」と答えた企業は0%でした。
このように業界全体で人材不足が顕著なため、企業側も将来の中核人材として若手の未経験層を積極採用・育成する動きを強めています。
事実、レバテック社の調査では「エンジニア未経験を採用している」企業が41.2%にのぼり、検討中を含めると7割超が未経験者採用に前向きでした。また転職サービスdodaによると、ITエンジニア職種の求人倍率は全体平均(約2.5倍)の約3倍にも達しており、1人の求職者に対して7〜12件の求人がある売り手市場となっています。
これらの数値から、未経験者であってもエンジニアに挑戦できる土壌があることがわかります。

図:エンジニア未経験者を採用する企業の割合(「採用している」が約41%、検討中を含めると約71%) 出典:レバテックIT人材白書2024(2023年調査)より。企業担当者1,000名へのアンケート結果。
なぜ未経験からエンジニアを目指す人が増えているのか
上記のようなIT業界の人材不足を背景に、「自分もエンジニアとして将来性のあるキャリアを築きたい」と考える人が増えています。
特にコロナ禍をきっかけとしたDXの加速や、副業解禁・リスキリング推進の流れもあり、20代の第二新卒層を中心に異業種からITエンジニアへの転身を志す動きが活発です。
実際、「開発未経験だけどITエンジニアに転職したい」という第二新卒の方が増えており、企業側も「ポテンシャル採用」を掲げて20代の若手を歓迎する求人を数多く出しています。
第二新卒は社会人基礎力があり柔軟性も高いことから、企業にとって育成しやすく魅力的な人材と見なされます。また文系出身でもエンジニアとして活躍している人はたくさんおり、実際に未経験・非IT学部からエンジニアになった成功例も増えているため、「自分も挑戦すればチャンスがある」と考える人が増加しているのです。
さらにプログラミングスクールの増加も一因です。最近はオンライン含め様々なスクールが開校し、「未経験でも○ヶ月で転職成功◯◯%」といった謳い文句で受講者を募っています。リスキリングブームも後押しして、スクール経由でスキルを身につけ転職を目指す人が増え、「未経験エンジニアが増えすぎ」と言われる要因にもなっています。
このように、市場ニーズの高さと学習環境の整備が相まって、未経験からエンジニアを目指す人が年々増えているのです。
しかし一方で、誰もが簡単にエンジニアに転職できるわけではありません。未経験可求人が増えているとはいえ、企業が求める水準や採用後に待ち受ける現場の厳しさを正しく理解しておかないと、「こんなはずじゃなかった」と後悔するケースも少なくありません。次章から、未経験エンジニア志望者の典型的なプロフィールや、転職活動・就職後に直面する現実を項目別に見ていきましょう。
未経験からエンジニアを目指す人の典型的なプロフィール
文系出身者や異業種出身者が多数
未経験でエンジニア転職を目指す人のバックグラウンドを見ると、ITとは無縁の職種・学部出身者が大半を占めます。例えば文学部など文系学部出身で、新卒では非IT企業に就職したものの「手に職を付けたい」「将来性のあるIT業界に移りたい」と考えて転職活動を始めるケースです。
実際、文系からエンジニアとして活躍している人は珍しくなく、筆者自身も未経験・文系出身からエンジニアになったと語る事例もあります。また、第二新卒(卒業後1〜3年程度の若手社会人)で異業種からの転身を図る人も多いです。
「営業職として入社したが、ITエンジニアに挑戦したい」「メーカーの事務だったが、もっと成長できる分野としてITに関心を持った」といった理由で20代半ばまでに方向転換を試みるパターンです。
近年はそうした20代のキャリアチェンジ希望者が増加傾向にあり、「第二新卒からエンジニアへの転身は十分可能」とする転職支援記事も見られます。
前職は多種多様
エンジニア未経験者の前職は実に様々です。
例えば、機械設計エンジニアからIT系プログラマーに転身した人や、小売業の販売員からWeb系プログラマーになった人、飲食店ホールスタッフからフロントエンドエンジニアとして採用された人、コールセンタースタッフからシステムエンジニアになった人など、実例を挙げればきりがありません。
要するに、「エンジニアになりたい」という意思さえ固まれば、前職の業界・職種は問わずチャレンジしているのが現状です。もちろん、全く畑違いの分野からの転身には勉強や準備が欠かせませんが、逆に言えば異業種出身でも適切な準備をすれば採用の可能性はあるということです。
企業側も「IT業界では人材不足が深刻だし、若手なら柔軟に育てられるはず」と考えて、営業やサービス業など異業種出身者にも門戸を開いているケースが増えています。
年齢は20代が中心、30代以降は狭き門
未経験からのエンジニア転職は若ければ若いほど有利なのが実情です。
多くの企業が求人票で「未経験可(ただし○歳まで)」と暗に年齢制限を設けていたり、ポテンシャル採用の対象を20代に絞っている傾向があります。実際、「未経験歓迎」の文言があっても企業はできるだけ若い人材を求めていることが多く、同じ未経験OK求人に20代と30代が応募したら20代の方が圧倒的に有利というのが現実です。
30代・40代となると、求人数自体が一気に減り、相応の専門知識やマネジメント経験がないと書類選考すら通らないケースも増えてきます。
例えば31歳・機械設計職からエンジニア転職を目指した男性は、「30歳を超えてからの未経験転職はそう簡単ではなかった」と振り返り、結局プログラミングスクールで基礎を学んでから多数の面接を受け、ようやく内定に辿り着いたと語っています。
このように30代以上では相当な努力と対策が必要で、企業から即戦力やこれまでのキャリアを活かした活躍を期待される分ハードルが上がる点に注意が必要です。
その代わり、30代であれば前職で培ったマネジメント経験や業界知識をアピールするとプラスになる場合もあります。総じて、未経験エンジニア志望者の中心層は20代前半〜後半であり、30代以降は狭き門になるものの不可能ではない、というのが現状と言えるでしょう。
今からでもエンジニアになれるのか?
結論、全く問題なく、今からでもエンジニアになることは可能です。
未経験からエンジニアを目指すことに対して、不安を感じる方もいるかもしれません。しかし、現在のIT業界では依然としてエンジニアの求人数は非常に豊富であり、むしろ一定レベルの学習を最後までやり遂げられる未経験者が不足しているのが現状です。
未経験エンジニアを取り巻く現状
近年、SNSなどでは「未経験エンジニアが増えすぎているのではないか」といった意見も散見されます。確かにエンジニアという職業の魅力が高まったことで、学習を始める人は増加傾向にあります。しかし、残念ながらその多くが体系的な学習を最後までやりきれていないケースが目立ちます。
プログラミング学習は、最初の数歩は進みやすいものの、実務レベルで通用するスキルを身につけるには、一定期間、質の高いインプットとアウトプットを継続する必要があります。この「やりきれない層」がいるために、見かけ上の未経験エンジニアは増えていても、企業が本当に採用したいと考える「即戦力に近い」未経験エンジニアは依然として貴重なのです。これが、「未経験エンジニアが増えすぎた」という印象とは裏腹に、求人が豊富である主な理由です。
エンジニアになるために必要な3つの要素
未経験からエンジニアとして内定を勝ち取るためには、以下の3つの要素が不可欠です。
- 内定が出るレベルの確かな学習(スキル):
基礎文法だけでなく、Webアプリケーション開発の一連の流れを理解し、
自力で実装できる能力
が求められます。特にモダンな技術スタック(例:Ruby on Rails、React、Vue.jsなど)の実践的な知識は、就職活動において大きなアドバンテージとなります。 - 技術力を証明するポートフォリオ:
単なるチュートリアルで作ったものではなく、
独創性があり、かつ実務を意識した機能を持ったオリジナルのアプリケーション
が必要です。採用担当者はポートフォリオを通じて、あなたの技術力、学習意欲、そして問題解決能力を判断します。 - 効率的な求人探しと面接対策:
いくらスキルがあっても、適切な求人に出会えなければ内定は得られません。未経験者に理解のある企業、成長できる環境を提供している企業を見極めるための
情報収集能力
と、自分のスキルと意欲を効果的に伝える
面接スキル
が重要になります。
ポテパンキャンプU29が選ばれる理由
これらの要素をすべて満たし、未経験から最短ルートでエンジニアを目指したい方には、ポテパンキャンプU29が強くおすすめです。
ポテパンキャンプU29は、これらの「内定が出る学習」「質の高いポートフォリオ作成サポート」「厳選された求人の紹介」を完全無料で提供しています(※29歳以下の方限定)。学習の途中で挫折しがちな未経験者を最後まで徹底的にサポートし、多くの卒業生を有名IT企業へと輩出している実績が、あなたのエンジニア転職を強力に後押しします。
今後、未経験エンジニアが増えすぎて求人が無くなる?
結論から申し上げますと、未経験エンジニアが今後さらに増加したとしても、求人が無くなるという事態は考えにくいです。
その背景として、まずIT業界全体の人材不足が慢性化している点が挙げられます。経済産業省の調査でも、2030年には最大で79万人のIT人材が不足すると予測されており、この需要ギャップを埋めるためには、未経験からの新しい担い手の参入が不可欠です。市場の拡大速度に、人材の供給が追いついていないのが現状です。
さらに、ポテパンでの直近の状況を見ても、この需要の大きさが明らかになっています。現時点だけでも、未経験エンジニアに対する募集は250人近くに上っています。これは、一つの企業やエージェントベースでの数字であり、業界全体で見れば、その数十倍、数百倍の求人が存在していることを意味します。この250名の求人を満たすためには、単純計算で毎月数千名の方がエンジニアを目指して学習を始め、継続して努力を重ねていかなければ、需要と供給のバランスは決して取れません。
求人が無くなるという懸念は、しばしば「市場が飽和するのではないか」という不安に基づいています。しかし、IT技術は進化し続けており、新しい技術やサービスが次々と生まれるたびに、それを扱うエンジニアの需要もまた拡大していきます。Web開発、AI、データサイエンス、クラウド技術など、求められるスキルは多様化しており、特に新しい技術領域においては、経験者だけでなく、意欲のある未経験者への期待も非常に高まっています。
確かに、求められるスキルやレベルは年々上がっていく傾向にありますが、これは業界の成熟に伴う自然な流れであり、努力に見合った質の高い仕事があるという証明でもあります。単純な作業をこなすエンジニアの需要は減少するかもしれませんが、創造性や問題解決能力を持つエンジニアへの需要は、今後も盤石でしょう。
したがって、未経験エンジニアを目指す方が増えることは、むしろ日本のIT業界の成長にとって望ましいことであり、適切なスキルと意欲を持っていれば、求人が無くなるという心配は杞憂と言えます。
今からエンジニアになる上で避けるべき危険な落とし穴と賢い進め方
「エンジニアになれば人生が変わる」「手に職をつけられる」といった言説が溢れる昨今、多くの人がこの魅力的なキャリアを目指しています。しかし、その道中には未経験者を待ち受けるいくつかの危険な落とし穴が存在します。夢を掴むために、まずはそのリスクを正しく認識し、賢く回避することが重要です。
1. 誇大広告に惑わされないこと
特に注意すべきは、「フリーランスになれる」「高収入が保証される」といった謳い文句を過度に強調するプログラミングスクールです。
- フリーランス・副業の真実:
- エンジニア業界において、フリーランスや副業で安定した収入を得られるのは、
確かな実務経験とスキルを持った経験者
がほとんどです。 - 未経験者がいきなり高単価の案件を獲得し、継続的に仕事を取っていくのは
非常に再現性が低い
のが現状です。多くの現場では、即戦力となる知識や経験が求められます。
- エンジニア業界において、フリーランスや副業で安定した収入を得られるのは、
- 高額スクールのリスク:
- 中には、数ヶ月で数十万円、数百万円といった
高額な受講料
を提示しながら、実際には基礎的な内容しか教えず、就職・転職サポートも手薄なスクールが存在します。 - 「高額=高品質」とは限りません。安易に多額の投資をする前に、カリキュラムの内容、卒業生の進路、講師の質などを徹底的に調べることが不可欠です。
- 無料または低額で高品質な学習コンテンツ
やスクールも増えてきています。まずはそういった場所でノーリスクまたは低リスクで学習を始め、自分にエンジニア適性があるかを見極めてから、次のステップに進むことを強くお勧めします。
- 中には、数ヶ月で数十万円、数百万円といった
2.未経験者向け求人の裏側を見抜くこと
求人サイトで目にする**「未経験OK」「研修充実」といった求人**にも、細心の注意を払って警戒する必要があります。
-
- 名ばかりのエンジニア職:
- 「エンジニア職」として募集されていても、実際には
テスター、ヘルプデスク、営業、あるいは単純なデータ入力といった、技術的なスキルがほとんど身につかないポジション
に配属されるケースが散見されます。これらはキャリアの遠回りになる可能性が高いです。 - 企業の採用戦略として、未経験者を安価な労働力として確保し、名目上「エンジニア」という肩書きを与えるだけで、実質的なスキルアップの機会を提供しないケースも存在します。
- 「エンジニア職」として募集されていても、実際には
- 名ばかりのエンジニア職:
- 面談での徹底的な確認:
- 少しでも「おかしい」と感じた求人や企業に対しては、
面談の場で曖昧にせず、具体的な質問を投げかける
ことが非常に重要です。 - 質問例:
- 「入社後の具体的な業務内容は何か?」
- 「どのような技術スタックを使うのか?」
- 「研修制度の詳細(期間、内容、OJTの有無)」
- 「配属予定のチームの構成や、経験者が何名いるか?」
- 「将来的にどのようなキャリアパスが描けるのか?」
- これらの質問に対して、明確で具体的な回答が得られない場合や、質問をはぐらかすような場合は、
その求人は危険信号
と捉えるべきです。
- 少しでも「おかしい」と感じた求人や企業に対しては、
結論:リスクを回避し、堅実にキャリアを築くために
エンジニアを目指す道のりで成功するためには、目先の甘い言葉に飛びつかず、長期的な視点と堅実な努力が必要です。
- 自学自習の徹底:
まずは無料で利用できる優良なオンライン教材やコミュニティを活用し、プログラミングの基礎をしっかりと固めましょう。 - 実績の構築:
小規模でも良いので、自分で何かを作り上げる「ポートフォリオ」を作成し、自分のスキルを証明できる具体的な実績を持つことが、信頼できる企業への就職への近道です。 - 情報収集の徹底:
業界のリアルな情報、信頼できるスクールの評判、企業の口コミなどを幅広く収集し、常に客観的な判断を心がけましょう。
華やかなイメージの裏にはリスクが潜んでいます。賢く情報を取捨選択し、計画的に行動することで、エンジニアとしての確かなキャリアを築いていきましょう。
未経験エンジニアとして就職した場合の初任給・待遇・労働環境

未経験から苦労してエンジニア職に就職できても、その先に待つ現実も押さえておく必要があります。初任給や待遇が「思っていたのと違う…」とギャップに驚く人も多いからです。ここでは、未経験エンジニアの一般的な給与レンジや労働環境について解説します。
初任給・年収水準
「エンジニアは高年収」というイメージがあるかもしれませんが、未経験からの初任給はそれほど高くありません。
他の職種と同様、スキルや経験がなければ給与は控えめに設定されるため、最初は年収300万〜400万円程度からのスタートとなることが多いです。
転職エージェント「Geekly」の調査によれば、未経験エンジニアの平均年収は約402万円程度となっており、やはり400万円前後が一つの目安といえます。これは日本のITエンジニア全体の平均年収(約462万円)や、例えばWeb系エンジニア職種平均(約446万円)と比べると低めの水準です。
経験2年以上になると450万円以上は狙えるようになります。
福利厚生・待遇
ポテパンキャンプの提携企業は研修が数ヶ月もある企業が多いです。福利厚生もあり勉強支援制度や家賃手当、リモート手当などついている企業もあります。
一般的な企業と比べて手厚さはあります。
労働環境
残業は多くない企業が多く、人間関係も非常にやりやすいという声が多いです。いい意味でスキル評価になるので、学習を頑張っている人は評価されやすいですし、反対に周りの足を引っ張ってしまう人は評価が上がりにくくなります。
